由利「あなたがキャプテン?」
*「そうだけど、何?」
由利「私達、今日から野球部に入るからね!宜しく!」
*「え?本当?じゃあこれで5人になったんだ。」
こいつがキャプテン・・・気のせいだろうか?身長が由利と同じに見えるのは(由利の身長158p)
それにさっきの素振り。どう見てもバットに振られているようにしか見えなかった。
たぶん・・・初心者だろう。
*「ねえ、君のポジションは?」
結城「え?」
突然聞かれたので少しとまどってしまった。
結城「(本当は投手をしたいが・・・まあサードでいいか。)」
結城「サードでいい。」
篠原「サードでいいって・・・」
由利「へ?あんた中学の時、ピッチャーやってたはずだけど・・・やらないの?」
結城「まぁ・・・色々とな。」
篠原「なあ、高橋。」
結城「(いつの間に来ていたんだ、この二人。高橋?・・・ああ、こいつの名前か。)」
篠原「こいつをちょっとテストしてみないか?」
*「え?いや、僕に言われても・・・」
由利「いいわよ。私が許すから。」
結城「お前が許しても俺は許さない。」
由利「いいからしなさい!」
このままいけばプロレス技をかけられるに違いないと結城は思った。
結城「ああ、もうわかった。わかったからプロレス技だけはやめろ。」
由利「わかればよろしい。」
西条「じゃあ打力から頼む。」
(カキーン!)
篠原「10球中8球、2球が柵越え・・・」
西条「俺のスローカーブが・・・」
篠原「次、守備力。」
(カーン!・・・バシ!)
篠原「あんな高いライナーを・・・」
西条「俺のスローカーブが・・・」
由利「まだ言ってる・・・」
篠原「次は遠投。」
(ヒュ!ギュオーーー!)
篠原「・・・どこまでいった?」
西条「今日の夕飯何かな・・・」
由利「・・・(もうどうでもよくなったんだ。)」
篠原「最後は走力。」
(タッタッタッ・・・)
篠原「・・・普通だな。」
西条「だが、こいつだったらどの高校でも1年レギュラーになれるはずなのになんでまた共学になったばっかの高校に?」
結城「(本当に何でだろうな。)」
まさか、自分のミスでここに入学したなんて言えるはずがなかった。
篠原「いいんじゃねーの。凄い奴が入部してきたんだからさ。」
高橋「そうだよ。甲子園を目指すなら1人ぐらい凄い人がいなきゃ駄目だよ。」
篠原「そうだな。」
高橋「とにかく甲子園へ行けるように頑張ろう。」
篠・由・西「おー!」
結城「・・・」
甲子園を目指すならまず部員を集める努力をしろ、と言いたかったが疲れたので言うのはやめることにする。
ああ、早く帰りたい。
そんな想いが結城の中で交差していた。