17時30分、練習(?)が終わった。これで家に帰れると思うとホッとする。
18時05分、やっと紫苑駅に着いた。もう、日が沈み辺りは暗くなっていた。星がよく輝いている。
結城「(・・・天体観測でもできそうだな)」
そんなことを思いながら家に向かって歩き出した。
18時20分、家に着いた。
結城「ただいま。」
*「ありゃ?珍しく遅かったね〜、何してたの?」
先に言っておくが俺の妹ではない。
こいつは親戚の川上 理奈。ある事情で俺の家にいる。
結城「・・・今日、野球部に入ったんだ。ていうか入れられた。」
理奈「え?神城って野球部あったけ?」
結城「最近できたみたいだな。」
理奈「ふ〜ん・・・で、ポジションはどこにしたの?」
結城「投手。」
理奈「嘘付き〜。あんた、ピッチャーができないはずでしょ。」
結城「なんだ、知ってるのか・・・サードにした。」
理奈「サードか〜。やっぱり長嶋さんのポジションだから?」
結城「いや、なんとなく。」
理奈「適当だね〜、尚史らしいや〜・・・ねぇ。」
結城「なんだ?」
理奈「あんたを野球部に入れた人って・・・由利ちゃん?」
結城「・・・」←意気消沈
理奈「当たりみたいね・・・」
結城「・・・」
理奈「・・・気分転換にキャッチボールでもする?」
結城「・・・する。」
そして・・・
理奈「ああ、もう私も中三かぁ。高校どこにしようかな〜?」
結城「まぁ、じっくり考えるんだな。お前の学力ならどこにでもいけるだろうし。」
理奈「・・・よし、決めた!私も神城にする!」
悩む時間短すぎだろ。もっとよく考えろというツッコミはいれないことにする。
結城「・・・お前が行きたいんならそれでいいか。」
理奈「妙な間があったわね、今。」
結城「気にするな。」
理奈「そうだね。」
結城「(あっさりしてるな。)」
理奈「ねぇ・・・暗い話になるけど・・・ヒナちゃんのこと、まさか、尚史・・・今も・・・」
結城「・・・言うな。ヒナのことは。」
理奈「ご、ごめん。嫌な事思い出させて。」
結城「ただ・・・」
理奈「え?」
結城「ただ、俺はあいつのために生きていく。俺なんかの命を助けてくれたからな・・・」
理奈「え!?」
結城「さぁ、もういいだろう。家に入るぞ。」
理奈「ちょ、ちょっと!どういう意味!?」
結城「・・・そういう意味だ。」
たぶん、あの時の事の真相は・・・俺と由利しか知らない。
結城「(願いが叶うならもう一度ヒナに・・・会いたい)」
そのとき、流れ星が通った。結城の願いが届いたのか、一ヶ月後、ある人物と出会う。結城は知るよしもなかった。