第3章
あの時 の事



17時30分、練習(?)が終わった。これで家に帰れると思うとホッとする。

18時05分、やっと紫苑駅に着いた。もう、日が沈み辺りは暗くなっていた。星がよく輝いている。

結城「(・・・天体観測でもできそうだな)」

そんなことを思いながら家に向かって歩き出した。

18時20分、家に着いた。

結城「ただいま。」

*「ありゃ?珍しく遅かったね〜、何してたの?」

先に言っておくが俺の妹ではない。

こいつは親戚の川上 理奈。ある事情で俺の家にいる。

結城「・・・今日、野球部に入ったんだ。ていうか入れられた。」

理奈「え?神城って野球部あったけ?」

結城「最近できたみたいだな。」

理奈「ふ〜ん・・・で、ポジションはどこにしたの?」

結城「投手。」

理奈「嘘付き〜。あんた、ピッチャーができないはずでしょ。」

結城「なんだ、知ってるのか・・・サードにした。」

理奈「サードか〜。やっぱり長嶋さんのポジションだから?」

結城「いや、なんとなく。」

理奈「適当だね〜、尚史らしいや〜・・・ねぇ。」

結城「なんだ?」

理奈「あんたを野球部に入れた人って・・・由利ちゃん?」

結城「・・・」←意気消沈

理奈「当たりみたいね・・・」

結城「・・・」

理奈「・・・気分転換にキャッチボールでもする?」

結城「・・・する。」

そして・・・

理奈「ああ、もう私も中三かぁ。高校どこにしようかな〜?」

結城「まぁ、じっくり考えるんだな。お前の学力ならどこにでもいけるだろうし。」

理奈「・・・よし、決めた!私も神城にする!」

悩む時間短すぎだろ。もっとよく考えろというツッコミはいれないことにする。

結城「・・・お前が行きたいんならそれでいいか。」

理奈「妙な間があったわね、今。」

結城「気にするな。」

理奈「そうだね。」

結城「(あっさりしてるな。)」

理奈「ねぇ・・・暗い話になるけど・・・ヒナちゃんのこと、まさか、尚史・・・今も・・・」

結城「・・・言うな。ヒナのことは。」

理奈「ご、ごめん。嫌な事思い出させて。」

結城「ただ・・・」

理奈「え?」

結城「ただ、俺はあいつのために生きていく。俺なんかの命を助けてくれたからな・・・」

理奈「え!?

結城「さぁ、もういいだろう。家に入るぞ。」

理奈「ちょ、ちょっと!どういう意味!?」

結城「・・・そういう意味だ。」

たぶん、あの時の事の真相は・・・俺と由利しか知らない。

結城「(願いが叶うならもう一度ヒナに・・・会いたい)」

そのとき、流れ星が通った。結城の願いが届いたのか、一ヶ月後、ある人物と出会う。結城は知るよしもなかった。

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