第4章
葵の花



この季節の暖かさに誘われ夢の世界へ行ってしまう生徒も少なくない。

だが、授業中に居眠りしても授業をサボってもここの先公は何も言ってこない。

まぁ、なんて緩い学校なんだろう、と結城は最近思う。

結城「(・・・眠い。)」

何故眠いのかというと、実パワ11とかいう新作のゲームが発売するので手伝えと言われ、一昨日の夜11時から昨日の朝の10時まで

ゲームショップ前に並ばされていたからである。(もちろん無理矢理、対戦させられたのは言うまでもない。)

だが、結城はヘトヘトなのに由利はピンピンしている。

結城「(バケモンだよ、あいつ。今日の朝、ラジオ体操してきたとか・・・どんな体力してんだよ。)」

きっと、あいつだったら42.195`ぐらいなら軽く完走するだろうと結城は思った。

結城は居眠りする場所を探していた。そして、野球部の部室近くにある大きな木が良いと思った。

結城「・・・良い風だ。」

木も気持ちよさそうに揺れている。そして、結城はこの木を見て昔を思い出したのである。

結城「ここに入学してはや一ヶ月か。そういやヒナと木の下でよくサボってたな・・・意地っ張りだったけど、可愛い奴だった・・・

今でも近くにいたりしてな・・・ん?」

結城は木の裏側に誰かいることに気付いた。

まず、由利ではないと思った。何故なら最近、あいつから殺気というものを感じるようになったからだ。

今、自分が寝ようとした木の裏側をみた。そこには女の子が寝ていた。・・・すぐに気付くだろというツッコミはなしだ。

結城「・・・この娘、どこかで見たような・・・」

その時だった。

*「う、う〜ん・・・よく寝た〜」

どうやら、その娘は起きてしまったようだ。

*「・・・何よ。」

まぁ、当然の反応だろうな、と結城は思った。

*「・・・もしかして君もサボリ?」

結城「・・・YES」

*「(何故英語?)・・・君の名前は?」

結城「・・・結城。・・・君は?」

あおい「私?私は・・・一条 あおい」

結城「(一条 あおい?)・・・!」

結城はその名前を聞いてやっと思い出したのだ。

あおい「どうしたの?」

結城「・・・中学時代、野球してなかった?」

あおい「やってたけど、なんで知ってるの?まさか・・・」

結城「?」

あおい「ストーカー?いくら私が可愛いからって・・・」

結城「・・・根暗に見えるけどまだ一度も犯罪は犯してない。」

あおい「じゃあ何で知ってるの?」

結城「覚えてない?あの練習試合。

あおい「練習試合?」

結城「・・・本当に覚えてない?あのプレ-を?」

あおい「あのプレー?」




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