第6章
藍の花と誕生



*「というよりどこかで会いましたっけ?」

結城「え、いや、午後の授業サボって昼寝してた時に・・・」

*「いえ私、授業はサボってませんけど」

結城「・・・あれ?」

また、間違えたのかと思った矢先にその娘の後ろから人が来た。 ・・・自分の目は今、錯覚が起きているのだろうか?

その娘の顔があおいちゃんと同じに見えてしまうのは。

あおい「あれ?お姉ちゃん、何してるの?」

*「いや、この人がね、約束がどうとか・・・」

結城「・・・双子?」

あおい「あれ?この人って・・・結城君?」

結城「・・・あおいちゃんって双子だったの?」

あおい「そうだけど・・・もしかして知らなかった?」

そりゃまぁ俺は人に関心を持たないし交流を持たないから知らないのも無理ないかと思った。

*「じゃあ、約束したっていうのもあおいのことだったんだ・・・約束って?」

あおい「え?あ、そ、それは・・・」

あおいは顔を赤くしその先の言葉に困っていた。ここは、俺が答えるべきなんだろうかと一瞬結城は悩んだが・・・

結城「・・・あおいちゃんと野球部室まで一緒に行く約束。」

*「え?あおい野球部に入るの?なら照れる事ないじゃない。」

あおい「う、うん。そうだね。」

*「そうよ・・・話変わりますけど・・・」

そう言った後、その娘は 結城の方を向いてこう言った。

*「あの・・・名前は?」

とても丁寧な言葉で話し掛けてきた。どうやら他人と話すときは敬語を使うらしい。

結城「俺の名前は・・・結城尚史。」

あい「私は一条 あいと言います〜。」

結城「まぁ宜しく。」

あい「はい。宜しくお願いしますね〜。」

あおい「お話中悪いけど・・・忘れてない。野球部行かなくていいの?」

結城「・・・忘れてない。」

悪い。完全に忘れてた。心の中で謝る結城だった。

そして・・・野球部。

どうやら、他の四人も(篠・西・高・由)勧誘に成功したらしく、今日一日で8人も集まってしまったようだ。合計13人。

結城「・・・(早く試合を書きたいという作者の魂胆が見え見えだな。)」

などと結城は思ってしまった。

篠原「試合ができるぞ!

西条「試合ができるんだ!

由利「キャー!ヤター!

この三人はかなり喜んでいる様子だったが・・・

あい「あの、尚史さん?」

あいは違った。

結城「何?」

あい「私は何故入ってるのでしょう?

結城「・・・さぁ?」

そういうことはこの三人に聞いてくれと結城は思った。

なにはともあれ5月15日のPM16:20、ここに一つの野球部が誕生した。




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