プロローグ



この日中学最後の試合となった。

*「4番ピッチャー結城君」

(カキーン!)

*「レフト前!セカンドランナー回った!

結城「(駄目だ!!暴走だ!!)」

(ザザー!バシ!)

アウト!ゲームセット!

審判「3-2で池北中学の勝ち!互いに礼!」

結城「・・・」

その日、郡大会の決勝戦があった。結城のいる「六官冬中学」はかなり弱かった。

ただ結城を除いて・・・

結城はエースで4番だった。 投手では中学離れしたストレートが武器だった。

だが、そんな弱小中学の捕手が捕れるはずがない。

捕手が捕れるぐらいの力で投げていたが、エラーが重なり出場校の中で失点が1番多かった。

打撃でもランナー二塁に置いてライトに流し打つ絶妙な打撃センスを持っていた。

結城以外の野球部員は泣いていた。

結城「・・・どうやったら泣けるんだろうな」

結城は泣かなかった。いや泣けなかった。自分に あれ以来感情というものがなくなってしまったのだ。

結城は泣ける奴が羨ましかった。

時は過ぎ・・・10月22日。その日、志望校調査があった。

結城「・・・この学校の生徒が来ない所・・・そこにしよう。」

結城は紙に書いた。「県立神城高校」 と・・・

ここから物語が始まる。今年共学になったこの高校で・・・




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